整形外科のお仕事をしよう!

整形外科が扱う疾患「ヘルニア」

「動きたい」から「行動」へ移せる知識!

ヘルニア

整形外科看護師が看護することの多い疾患であるヘルニアについて、頚椎椎間板ヘルニアと腰椎椎間板ヘルニアの2つを紹介します。頚椎椎間板ヘルニアは首のヘルニアで、腰椎椎間板ヘルニアは腰のヘルニアです。

ヘルニア

頚椎椎間板ヘルニア

頚椎椎間板ヘルニアの症状は箸が使いづらく感じたり、ボタンがかけづらく感じたりなど、細かい動作に障害が出ます。神経根の障害では首や肩、腕に痛みや痺れが出ます。脊髄に障害が出ている場合には、足がもつれてしまうなどの歩行が難しくなる症状も出ます。
頚椎椎間板ヘルニアの原因は、クッションのように背骨をつないでいる役割の椎間板が、加齢などの要因で後方に飛び出してしまうことです。30代から50代の人に多く、悪い姿勢で長く仕事をしていたり、スポーツなどが誘因になって発症することがあります。椎間板が飛び出してしまった場所によって、神経根、脊髄の圧迫が生じます。診断にはMRIでこれらの圧迫を確認して確定します。
治療方法は首の安静保持をサポートしたり、頚椎カラー装具によって痛みを和らげます。症状に応じて牽引療法や運動療法が用いられることもあり、様々な処置があります。上肢、下肢の筋力低下が持続してしまう場合や、歩行障害などを伴う場合には、手術での治療が選択されることもあります。

頚椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニア

頚椎椎間板ヘルニアの症状は上半身に見られることが多いですが、腰椎椎間板ヘルニアは下半身に症状が見られます。その症状は腰痛の他に、腰部の伸展や屈曲が制限されるなどがあります。痛みのために脊柱が横にずれてしまう疼痛性側湾症が引き起こされてしまうこともあります。
腰椎椎間板ヘルニアの病態は、椎間板が変形して線維輪に亀裂が入ってしまい、髄核が後方に押し出されて神経根を圧迫することです。加齢に伴う退行性変化が大きな原因であることが多いですが、重いものを持ったり、スポーツなどで腰に大きな負荷がかかったりなどが原因となることもあります。10代から60代まで幅広い年代に見られますが、男性に多いことが特徴です。診断方法は頚椎椎間板ヘルニアと同様に、レントゲンやMRIなどの画像検査で確定します。
治療方法は仕事や運動などを制限して、コルセットなどで局所の安静を保つことが基本になります。消炎鎮痛薬や湿布による薬物療法などが用いられることも多々あります。これらの保存療法で症状の改善が見られない場合、もしくは下肢に重度の痺れが現れた場合は手術によって治療することもあります。特に膀胱直腸障害が見られた場合には緊急手術が適用されます。

腰椎椎間板ヘルニア

整形外科に興味がある看護師におすすめの記事