関節リウマチ
整形外科では関節リウマチを患っている患者さんを扱うことがとても多いです。整形外科で働くことに興味を持っている看護師は、関節リウマチの症状や原因について押さえておきましょう。
関節リウマチの症状
関節リウマチは関節内に存在している滑膜という組織が異常に増えてしまうことで、関節内に慢性的な炎症を生じさせてしまう疾患です。進行していくと関節が破壊されてしまい、様々な身体機能障害を引き起こしてしまいます。また、症状が出るのは関節だけではなく、貧血や微熱などの全身症状を合併することもあります。
この疾患は両手足の指の関節が対称的に腫れ、こわばってしまうという症状から始まります。人によっては膝の関節や股関節といった大きな関節でも病変が進むようになり、患部に水が溜まって動きにくくなったり、日常生活を送るのが難しくなったりします。特に30代から40代の女性に多く発症し、軽度から重度まで様々な症状が現れます。早期の診断と治療が重要になります。関節リウマチは関節だけの病気ではなく、貧血や微熱など、全身症状が現れることもあります。
関節リウマチの原因
細菌、ウイルスの感染や、遺伝的要因などが考えられていますが、関節リウマチの原因はまだ解明されていません。病態は自己免疫疾患と考えられており、身体の一部を自分のものではないと誤認してしまい、これに対する抗体を生成してしまって反応が起こります。この反応によって関節液をつくる滑膜にリンパ系細胞が集まってしまい、滑膜が身体を破壊する物質を生成してしまいます。
診断方法
関節リウマチの診断する基準として用いられているのが、アメリカリウマチ学会の診断基準です。この基準には複数の項目があり、レントゲン上の変化や血清リウマトイド因子などの項目から、4つ以上当てはまった場合に関節リウマチと診断します。また、症状が6週間以上継続して現れていることも診断に必要です。
治療方法
関節リウマチは早期発見をして早い段階での治療がとても大切です。治療は薬物療法が基本で、抗リウマチ剤と非ステロイド性消炎剤をベースに、その人の症例に合わせて免疫抑制剤などを用います。補助療法として関節内に直接ステロイド剤やヒアルロン酸製剤などを注射することもあります。手や足の周囲だけに発症している段階では比較的軽く経過する場合が多いですが、長期間全身の関節に症状が現れている場合は手術が必要になることがあります。